ジーンデザイン / ジーンデザイン ID: J00730

LNA合成 ID: J00730

長鎖DNA-LNAキメラオリゴの他に、ホスホロチオエート化、末端修飾など、DNA合成と同様に様々な修飾を行う事も可能です。

サービスについて

概要

Locked Nucleic Acid(LNA)は、核酸分子に架橋構造を持つオリゴヌクレオチドの一種であり、安定性と相補鎖への特異性に優れた人工核酸です。DNAまたはRNAターゲットの検出に最適です。

LNAは、リボースが理想的なコンフォメーションで「ロック」されている高親和性RNAアナログです。LNAオリゴヌクレオチドは、相補鎖にハイブリダイズすることで熱安定性を向上させます。

ジーンデザインは、LNAオリゴ合成の豊富な経験と実績を有しており、さまざまな組み合わせで合成および精製することが可能です。

利点
・DNA・RNAへの熱安定性の向上
・配列特異的結合
・細胞低毒性
・様々な修飾(末端修飾、ホスホロチオエート化)

LNAの特長

  • 高い結合親和性
    LNAのリボース骨格はRNAのそれと同じコンホメーションをとるため、RNAへの結合能力が大幅に向上します。これは、DNAへの結合親和性の増加にも寄与します。
    ヌクレオシドは、N型とS型の2種類の構造(「ゆらぎ」をもつという)をとり得ますが、LNAは、リボース環の2’位と4’位を架橋することによって「ゆらぎ」を抑え、完全にN型に固定されています。
    二本鎖RNA中のヌクレオシドはN型構造をとるので、予めN型構造に固定された核酸は、標的RNAに対して高い配列特異的結合能を有すると考えられます。(fig.1

    Tm;DNA、RNAへの結合親和性を示す指標値
    →値が高いほど親和性増大
    LNAの挿入→Tm値の上昇→RNA, DNAへの結合力増加
  • 高いヌクレアーゼ耐性
    LNAを部分挿入したオリゴヌクレオチドは、天然型オリゴヌクレオチドに比べて優位なヌクレアーゼ耐性を獲得しております。
    以下は、LNA挿入オリゴヌクレオチド、ホスホロチオエート型オリゴマー(S-オリゴ)、天然型オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼに対する耐性の実験例です。(fig.2

    LNAを挿入することで、天然型オリゴヌクレオチドに比べてLNA-オリゴは核酸分解酵素への耐性が向上することから、体内での安定性が改善される可能性が高くなっています。このことは動物細胞、実験動物を用いた実験において、従来より少量でオリゴの効果(アンチセンス、アンチジーン、siRNA)の持続を期待できます。
  • 毒性試験の例
    従来からアンチセンスオリゴヌクレオチドに利用されているS-オリゴとLNAオリゴをin vivo実験で比較した場合、LNAオリゴマーの方が高い安全性をもつ可能性を示唆する報告もされております。

    動物実験においてLNA-オリゴの安全性を確認した例が報告されています。(Wahlestedtら、PNAS.vol97.p5633-5638、)。この報告では、脳にS-オリゴを注入されたラットが明らかな発熱反応を示し、このラットの脳の病理組織像において神経細胞の脱落が見られるのに対し、LNA-オリゴを注入されたラットでは、このような病理所見が見られません。これらにより、LNA-オリゴは、S-オリゴよりも医薬として安全であるといえます。

    この研究ではラットの脳に天然型 オリゴ、S-オリゴ、LNA-オリゴを投与した場合の生体反応を見ています。投与オリゴに生体毒性がある場合は、発熱反応を引き起こします。(fig.3

    fig.3)説明
    DNA PS: S-オリゴの投与によって、コントロールの天然型オリゴ投与に比べて明確な発熱反応を示した
    DNA LNA: LNA-オリゴを投与してもコントロールの天然型オリゴと比較して発熱反応を示さなかった
    LNA-オリゴは生体毒性を引き起こしにくい安全な核酸である可能性を示しています。

    Wahlestedtら、PNAS 97、5633-5638(2000)

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