Arraystar / フィルジェン ID: J02083

GlycoRNA Array 受託解析サービス ID: J02083

glycoRNA の生化学的捕捉方法とマイクロアレイによる RNA 検出を組み合わせて、glycoRNA 発現を定量およびプロファイリングします。

サービスについて

概要

本サービスでは、glycoRNA の生化学的捕捉方法とマイクロアレイによる RNA 検出を組み合わせて、glycoRNA 発現を定量およびプロファイリングします。これら2つの高度な技術の統合することで両者の長所を活かし、高い特異性、感度、精度を実現します。 GlycoRNA アレイは、Y-RNA/Y-RNA フラグメント、 tRNA、tsRNA(tiRNA および tRF)、pre-miRNA、miRNA、 snRNA/snRNA フラグメント、snoRNA/snoRNA フラグメント、 rRNA/rRNA フラグメント、scRNA など、幅広いグリコシル化 RNA クラスをカバーしています。
この最先端のアプローチにより、研究者は包括的な glycoRNA 発現の詳細を取得し、遺伝子制御、細胞機能、およびヒト疾患における新しいクラスの RNA 分子を発見し、理解することができます。

特長

glycoRNA は、レクチン結合、代謝標識 / クリックケミストリー、過ヨウ素酸酸化およびアルデヒド標識(pAL)などの生化学的方法によって捕捉することができます。GlycoRNA アレイでは捕捉された glycoRNA を検出および定量することが可能です。本サービスは glycoRNA 捕捉技術と GlycoRNA マイクロアレイを組み合わせ、特異的な glycoRNA 捕捉とマイクロアレイによる高感度 / 特異性 / 精度のRNA検出という両技術の強みを活かした glycoRNA 生物学の分野における最先端のアプローチです 。研究者は、glycoRNA の分子 / 細胞機能および生物学 / 疾患という新しい科学領域において、詳細かつ包括的な glycoRNA プロファイリング情報を得ることができるようになりました。以下は、GlycoRNA Array アプローチの主な利点です。
  • 包括的なグルコシル化 RNA プロファイリング
    GlycoRNA アレイは、Y-RNA/Y-RNA フラグメント、tRNA、tsRNA(tiRNA および tRF)、pre-miRNA、miRNA、snRNA/snRNA フラグメント、snoRNA/snoRNA フラグメント、rRNA/rRNA フラグメント、scRNA など、幅広い small RNA クラスを同時にカバーします。シーケンシングによる glycoRNA の検出には、そのユニークな生化学的特性のため、これらの small RNA の異なるクラス毎に個別の特殊なシーケンシングケミストリーとシーケンシングの実行が必要になります。
  • 感度と信頼性の向上
    glycoRNA 捕捉ステップにより、glycoRNA の検出シグナルが実際にグリコシル化 RNA に由来するものであることが保証されるため、偽陽性を低減し、結果の信頼性を高めることができます。glycoRNA の捕捉とマイクロアレイシグナルの非常に高い感度を組み合わせることで、S/N 比が向上し、低存在量でも glycoRNA をより適切に検出することができます。
  • 新規 GlycoRNA の発見
    GlycoRNA アレイには、グリコシル化の既知または未知に関わらず、ゲノム内のすべての small RNA が含まれています。マイクロアレイ上で検出された糖鎖捕捉 RNA は、過去に報告されていなければ、新規の glycoRNA として同定されます。したがって、あらかじめ印刷されたマイクロアレイに、シークエンシングのような新規 glycoRNA を発見する能力を持っているかどうかを心配する必要はありません。
  • 前例のない科学的および医学的な可能性
    すぐに利用できる GlycoRNA アレイのプロファイリングデータに簡単にアクセスできるようになったことで、研究者はこの新しいクラスの glycoRNA 分子によって切り開かれる多くの前例のない科学分野を探求できるようになりました。
    遺伝子、細胞、分子制御における RNA グリコシル化とグリコシル化 RNA、glycoRNA に基づく / 配列特異的な細胞表面および細胞外相互作用と伝達、受容体に対する新しいクラスのリガンド、新規の生物学的および疾患機能、 新しい医薬品ターゲット、および免疫学的および配列学的二重検出が可能な新しい細胞外バイオマーカーなど。

仕様

表1.ヒトGlycoRNA アレイの仕様
Arraystar Human GlycoRNA Array v1.0
個別プローブ総数7,646
プローブ設計5’-ヘアピンキャップと 3’-スペーサーを備えた small RNA 特異的配列
プローブ部位 miRNA/5’tsRNA:3’-配列
3’tsRNA / Y-RNA / snRNA / snoRNA / rRNA 由来の断片:完全長配列内の任意セグメント
pre-miRNA:pre-miRNA のループ領域
tRNA:成熟 tRNA のアンチコドンループ配列
Y-RNA / snoRNA / snRNA / rRNA:RNA 全長における特異的配列
プローブ特異性small RNA 特異的
アレイフォーマット8x15K
Small RNA のカバレッジソース
YsRNA(Y-RNA 由来 small RNA) 10 文献[41-44]
snsRNA(snRNA 由来 small RNA) 4 文献[48]
sdRNA(snoRNA 由来 small RNA) 289 文献[46-49]
rRF(rRNA 由来 small RNA) 210 MINTbase (V1);文献[45]
miRNA 2,627 miRBase (v22)
tsRNA(tRNA 由来 small RNA) 1,432 tRFdb, MINTbase, GtRNADb (v18.1, 2019.08);2019年までの文献[1-40]
pre-miRNA 1,745 miRBase (v22)
成熟 tRNA 338 GtRNADb (v18.1, 2019.08);ENSEMBL (v99)
snoRNA 955 ENSEMBL (v99)
Y-RNA 4 RNAcentral (V24);RefSeq (2024.08)
snRNA 27
rRNA 5

文献番号の詳細はフィルジェンHPをご確認ください。

バイオインフォマティクス解析の概要とその一例

GlycoRNA マイクロアレイは、glycoRNA のプロファイリングと解析において、最も高感度で、効果的、かつ堅牢な方法です。プロファイリングデータには、glycoRNA の豊富なバイオインフォマティクス解析とアノテーションが含まれています。(fig.1
Symbol:glycoRNAシンボル
Trans type:転写のバイオタイプ
Precursor: small RNA 由来フラグメントのプリカーサーID / シンボル
Description:アノテーションの説明
Fold Change比較グループ間の Fold change
Regulation:Group1 と Group2 の比較によるアップレギュレーションまたはダウンレギュレーション
P-value:t 検定による p 値

ワークフロー(fig.2

本サービスは、Total RNA~データ解析までのフルパッケージです。
  1. RNA サンプルの受け取り
  2. RNA の QC チェック:濃度、純度、完全性(分解度)
  3. レクチン小麦胚芽凝集素(WGA: Wheat germ aggutinin)への親和性結合による glycoRNA の濃縮
  4. 直接末端標識
  5. アレイハイブリダイゼーション、洗浄、スキャンニング
  6. データ抽出、解析、サマリーレポート作成
  • glycoRNA を、レクチン小麦胚芽凝集素(WGA)磁気ビーズへのアフィニティー結合により、 Total RNA から捕捉する。
  • 捕捉された glycoRNA を、標準的な TRIzol Reagent 抽出法により溶出する。
  • 抽出した glycoRNA に T4 ポリヌクレオチドキナーゼを処理し、残存している3’-モノリン酸(P)基と環状リン酸(cP)基を除去して 3’-OH 末端を調製する。
  • glycoRNA の 3’-OH 末端を、T4 RNA リガーゼにより Cy3C 蛍光色素で標識する。
  • Cy3 標識された glycoRNA を Arraystar GlycoRNA マイクロアレイにハイブリダイズし、アレイ上の低分子 glycoRNA のプロファイリングを行う。

納品物

解析終了後、フィルジェン社報告書の他、以下データをDVD等の記録メディアに収録してご提供いたします。
  1. 解析ソフトウェア上から精製された全てのマイクロアレイ生データファイル
  2. Arraystar社による実施プロジェクトの解析レポート(word形式)
  3. 以下に関する Excel形式のデータテーブル
    ・生のシグナル強度および正規化シグナル強度
    ・fold-changeおよびp-valueのカットオフによる発現変動small RNA(標準カットオフは|FC|≧2、P≦0.05)
    ・Y-RNA/Y-RNA フラグメント、tRNA、tsRNA(tiRNA および tRF)、pre-miRNA、miRNA、
    snRNA/snRNA フラグメント、snoRNA/snoRNA フラグメント、rRNA/rRNA フラグメント、scRNA の詳細なアノテーション
  4. ボックスプロットおよびスキャッタープロット
  5. 階層的クラスタリングヒートマップ
  6. ボルケーノプロット(実験設定に該当しない場合は含まれません)
  7. サンプル QC レポート

サンプル条件

品質条件 詳細
サンプルタイプTotal RNA(small RNA を含む、sizes<200nt)
必要量推奨量:>20μg、最低量:>10μg
濃度(Nanodrop に基づく)>20ng/μL
純度(Nanodrop に基づく) O.D.260/280:2.0(許容範囲:1.7~2.0)
O.D.260/230:>1.8
RNA Integrity ゲル電気泳動:18S および 28S rRNA のバンドが確認でき、28S および 18S rRNA のバンド比が 2:1 程度であること。
BioAnalyzer:RIN>7.0

血清、血漿、エクソソームおよび FFPE など、分解や断片化され品質低下がよく知られているサンプルに由来する RNA については、解析結果の品質が低い可能性があります。お客様の同意があれば、ご提出いただいたサンプルで解析を行うことが可能ですが、データ品質が悪い、あるいはデータが取得できない可能性もあり、データ取得の保証はできませんので、予めご注意ください。

*DNase、RNase フリーの1.5mLまたは2mLマイクロチューブを使用してください(スクリューキャップ式を推奨)。
*ヌクレアーゼフリーの分子生物学グレードの水に溶解し、-80℃で保存してください。
*サンプルは、DNase 処理を行うことを推奨いたします。
*UVスペクトルベースの濃度測定法では不正確になる場合がありますので、蛍光ベースでの測定を強く推奨します。
*UVスペクトルベースで測定した場合、上記よりも多いサンプルをご準備ください。

ご注文に関して

お問い合わせフォーム よりお問い合わせください。

参考価格・納期

サービス項目 生物種 受注受付 価格(税抜) 品番 納期
GlycoRNA Array受託解析サービス ヒト 1サンプルから受注受付 ¥246,000/1サンプル F-AS-GRH-[サンプル数] 約2~2.5ヶ月
*サンプルQC合格の場合

*上記の他、サンプルの海外輸送費が別途発生いたします。

関連サイト