Arraystar / フィルジェン ID: J02082

Downstream-of-Gene Transcript (DoG RNA) Array 受託解析サービス ID: J02082

DoG RNA、ホスト遺伝子の pre-mRNA および潜在的な調節標的としての下流の重複転写産物を同時に検出および定量します。

サービスについて

概要

本サービスは、ヒト DoG RNA(遺伝子の下流転写物)のプロファイリングと研究のために設計されたマイクロアレイ技術を利用して、DoG RNA、ホスト遺伝子の pre-mRNA および潜在的な調節標的としての下流の重複転写産物を同時に検出および定量します。

特長

  • DoG の制御標的の包括的なカバレッジ
    ・DoG下流隣接遺伝子からのセンスオーバーラップ lncRNA、または circRNA
    ・DoG およびその下流隣接遺伝子転写産物のシス-スプライシングによるキメラ RNA
    ・DoG とそのリードスルー下流隣接遺伝子転写産物のバック-スプライシングによる rt-circRNA
    ・アンチセンスオーバーラップ mRNAs および lncRNA
  • DoG とその全標的RNAを検出
    スプライスジャンクションに特異的な、シンプルで高感度なアレイプローブ(表1)により、1つのアレイでDoGとその全ての標的RNAを検出可能です。また、シークエンシング法で必要とされる様な大変な計算やバイオインフォマティクス解析は不要です。
  • 低存在量の転写物にも有効な高感度
    1転写物/細胞という低濃度でも高感度で、低存在量な転写物にも有効です(例:ほとんどのDoG由来のcircular RNAや chimera RNA)

表1 DoG RNA アレイプローブ設計法
RNA Type Array Probe Design Method (fig.1
DoGs 3kb beyond the 3’-terminal PAS
Pre-mRNA from DoG host genes exon-intron junction
DoG downstream targets mRNAs/LncRNAs exon-exon junction
Downstream circRNAs back-splicing junction
Read-through circRNAs(rt-circRNAs) back-splicing junction
Chinera RNAs cis-splicing junction
Arraystar DoG RNA マイクロアレイのプローブ設計(fig.1
  • DoG 領域プローブ:DoG ホスト遺伝子の3’末端ポリアデニル化シグナルの3kb先のDoG検出用。 ホスト遺伝子自体とは重複しない。
  • ホスト遺伝子プローブ:exon-intron junctionまたはintron内でのDoGホスト遺伝子のpre-mRNA検出用。
  • 下流転写プローブ:成熟linear RNAのexon-exon junctionまたは成熟circular RNAのback-splicing junctionにおけるDoG下流mRNA/lncRNA/circular RNA/Chimera RNA/rt-circRNAの検出用。

データベース

Arraystar Human Downstream-of-Gene Transcript(DoG RNA)Arrayには、13,000以上のプローブが含まれており、DoG RNA、ホスト遺伝子のpre-mRNA、およびその潜在的な制御標的である下流のオーバーラップ転写産物を同時に高精度かつ特異的に検出および定量することが可能です。

Human Downstream-of-Gene Transcript(DoG RNA)マイクロアレイの仕様
プローブ数14,707
プローブ部位 DoG RNA(遺伝子下流転写産物):ホスト遺伝子の3’末端ポリアデニル化シグナルから3kb先
DoGホスト遺伝子由来pre-mRNA:ホスト遺伝子由来pre-mRNAのエクソン-イントロンジャンクション
DoG RNAの下流センスオーバーラップLncRNA:lncRNAのエクソン-エクソンジャンクション
DoG RNAの下流センスオーバーラップCircRNA:circRNAのバックスプライシングジャンクション
キメラ RNA(DoGのリードスルー転写産物および下流のリードキメラ遺伝子の成熟シス-スプライシング産物):キメラ RNAのシス-スプライシングジャンクション
rt-circRNA(リードスルー転写産物のバックスプライシングによって産生されるcircular RNA):rt-circRNAのバックスプライシング
下流アンチセンスオーバーラップlncRNAまたはDoGのコーディングRNA:転写産物のエクソン-エクソンジャンクション
ショウジョウバエのスパイクイン RNA:コントロールとしてのショウジョウバエのコーディングRNAをコードに特異的なプローブ
プローブ特異性転写産物特異的
DoG RNAのカバレッジ4,460
ホスト遺伝異由来のpre-mRNAのカバレッジ4,460
lncRNA(センス)のカバレッジ480
circRNAのカバレッジ1,546
キメラ RNA のカバレッジ 539
rt-circRNAのカバレッジ356
アンチセンス転写産物のカバレッジ1,866
ショウジョウバエのスパイクインのカバレッジ1,000
DoGと転写産物のソース DoG RNA:scientific publications[1-13]
ホスト遺伝子:GENCODE human V44[15]
下流コーディング / ノンコーディングRNA:GENCODE human V44[15]
下流 circular RNA:circBase[14, 20]
下流キメラ RNA:FusionGDB2[22], GENCODE human V44[15], and scientific publications[15, 17, 21]
下流 rt-circRNA:scientific publications[18, 19]
ショウジョウバエ RNA:ENSEMBL BDGP6.46[16]
アレイフォーマット8x15K

バイオインフォマティクス解析の概要とその一例

Downstream-of-Gene Transcript (DoG RNA) マイクロアレイは、DoG RNAのプロファイリングのための最も高感度で、効果的かつ堅牢な手法です。プロファイリングデータには、DoG RNAの豊富な解析とアノテーションが含まれています。

発現変動 DoG RNA、ホスト遺伝子の pre-mRNA、および体系的な lncRNA アノテーションを持つ下流転写産物(fig.2)(fig.3

ワークフロー(fig.4

本サービスは、Total RNA~データ解析までのフルパッケージです。
  1. RNA サンプルの受け取り
  2. RNA の QC チェック:濃度、純度、完全性(分解度)
  3. cDNA 合成
  4. ラベリング
  5. アレイハイブリダイゼーション、洗浄、スキャンニング
  6. データ抽出、解析、サマリーレポート作成
T7ポリメラーゼプロモーターを含むオリゴ(dT)プライマーとランダムプライマーの混合物を使用して、Total RNAをプライミングし、続いて逆転写酵素によって二本鎖cDNAを合成する。二本鎖cDNAのT7 プロモーターからin vitro T7 RNA ポリメラーゼ転写を用いてアンチセンスcRNAを合成し、同時に3’バイアスなしで転写産物の全長にわたって Cy3-CTP蛍光色素で標識する。精製したcDNAをDoG RNAアレイにハイブリダイズし、DoG RNAの発現解析を行う。

納品物

解析終了後、フィルジェン社報告書の他、以下のデータをDVD等の記録メディアに収録してご提供いたします。
  1. 解析ソフトウェア上から精製された全てのマイクロアレイ生データファイル
  2. Arraystar社による実施プロジェクトの解析レポート(word 形式)
  3. 以下に関する発現プロファイリングデータおよび発現変動解析結果(標準カットオフは |FC|≧2、p≦0.05)
    ・DoG RNAs
    ・DoG ホスト遺伝子の pre-mRNA
    ・センス-オーバーラップ lncRNA/circRNA、アンチセンス-オーバーラップ mRNA/lncRNA、キメラ RNA およびrt-circRNAを含むDoG制御ターゲット
  4. 階層クラスタリングヒートマップ、スキャッタープロットおよびボルケーノプロット
  5. 発現変動 DoG RNA の Gene Ontology 解析
  6. 発現変動 DoG RNA のパスウェイ解析
  7. サンプル QC レポート

サンプル条件

品質条件詳細
サンプルタイプTotal RNA(small RNA を含む)
必要量推奨量:>5μg、最低量:>2μg
濃度(Nanodrop に基づく)>20ng/μL
純度(Nanodrop に基づく)O.D.260/280:2.0(許容範囲:1.7~2.0)
O.D.260/230:>1.8
RNA Integrity ゲル電気泳動:18Sおよび28S rRNAのバンドが確認でき、28Sおよび18S rRNAのバンド比が2:1程度であること。
BioAnalyzer:RIN>7.0

血清、血漿、エクソソームおよび FFPE など、分解や断片化され品質低下がよく知られているサンプルに由来する RNA については、解析結果の品質が低い可能性があります。お客様の同意があれば、ご提出いただいたサンプルで解析を行うことが可能ですが、データ品質が悪い、あるいはデータが取得できない可能性もあり、データ取得の保証はできませんので、予めご注意ください。

*DNase、RNase フリーの1.5mLまたは2mLマイクロチューブを使用してください(スクリューキャップ式を推奨)。
*ヌクレアーゼフリーの分子生物学グレードの水に溶解し、-80℃で保存してください。
*サンプルは、DNase 処理を行うことを推奨いたします。
*UV スペクトルベースの濃度測定法では不正確になる場合がありますので、蛍光ベースでの測定を強く推奨します。
*UV スペクトルベースで測定した場合、上記よりも多いサンプルをご準備ください。

ご注文に関して

お問い合わせフォーム よりお問い合わせください。

参考価格・納期

サービス項目 生物種 受注受付 価格(税抜) 品番 納期
Downstream-of-Gene Transcript
(DoG RNA) Array 受託解析サービス
ヒト 1サンプルから受注受付 ¥150,000/1サンプル F-AS-DoGRH-[サンプル数] 約1.5~2ヶ月
*サンプルQC合格の場合

*上記の他、サンプルの海外輸送費が別途発生いたします。

関連サイト