Aliri Bioanalysis / フィルジェン ID: J02023

定量的質量分析イメージング(QMSI)受託解析サービス ID: J02023

医薬品およびバイオマーカーの局在化と、薬物動態と薬力学(PK/PD)の関係性を明らかにすることが可能です

サービスについて

概要

空間生物分析は、戦略的に研究方針を最適化でき、作用部位での薬物曝露と微小環境への影響を理解するのに役立つ独自のデータを生成するソリューションです。空間生物分析を研究の早期段階で導入することで、長期的な医薬品研究において結果的にコストや時間を節約することが可能です。あらゆる治療分野において、病変組織および侵害細胞を回復させるための医薬品の局在化およびその薬理学的効果に関するより深い情報を提供することで、薬効や毒性の解釈を促進させることができます。

特長

MSI は、生体組織の表面上の分子の局在を直接検出する一般的な技術となっています。近年では、MSI を使用した局在分布情報に加え、標的分子の定量情報を組み合わせた情報の取得に関心が高まっており、その研究数も増えてきています。本サービスは、質量分析による定量化技術と局在イメージング技術を組み合わせた、独自の定量的質量分析イメージング(Quantitative Mass Spectrometry Imaging;QMSI)を提供しています。QMSI は、医薬品およびバイオマーカーの局在化と、薬物動態と薬力学(PK/PD)の関係性を明らかにすることが可能です。
  • 検出: ターゲット分子(薬物、代謝物、脂質、ペプチド、タンパク質等)、または元素(亜鉛、銅、金、カルシウム等)の検出
  • 解像度: 10μm
  • 定量化: 検出された分子の正確な定量
  • 特異性: 親薬物と代謝物の優れた区別
  • ラベリング: ラベルフリーにより複数の化合物の局在化と定量化を同時に実施
  • 定量化: Aliri 社の特許およびノウハウに基づく正確な方法
  • 標準化&再現性: 研究の質を保証するために開発した技術および方法
  • 品質管理: ISO9001 取得およびラボ情報管理システム(Laboratory Information Management System;LIMS)採用ラボ
【QMSI技術により生体組織上の対象物の定量分析と局在分析を組み合わせた情報が取得可能】
本サービスが提供する QSMI 技術は、検出する対象物に合わせて、いくつかの質量分析法を組み合わせて解析を実施することが可能です。
  1. MALDI イメージング(fig.1
    様々な組織切片からインタクトな分子、アミノ酸、代謝物、薬物、脂質、およびタンパク質を検出するために、マトリックス支援レーザー脱イオン化(MALDI)技術を使用します。MALDI イメージングは、数千の分子を一度に検出できる感度の高い堅牢な技術です。より定量的な分析を実現するためのプロセスとソフトウェア(MultimagingTM)を開発し、この数年間で MALDI イメージングを使用して数百の医薬品の局在および定量解析を行い、また本分野において 100件以上の論文を出版しました。
  2. LA-ICP-MS イメージング(fig.2
    レーザーアブレーション誘導結合プラズマ装置(LA-ICP)は、組織切片から元素を検出することができるもう1つの MSI 技術です。MALDI イメージングとの組み合わせにより、LA-ICP-MS イメージングは、細胞の活性化、成長及び恒常性に重要な鉄、銅、カルシウム、亜鉛等の元素の分布および定量分析に有用なツールとなっています。
    本サービスのイメージング技術では、独自の解析プラットフォームおよび MultimagingTM ソフトウェア(LA-ICP-MS イメージングと MALDI イメージングの染色画像のオーバーレイを実現します)を採用しています。LA-ICP からの染色画像を MALDI イメージングとオーバーレイすることで、様々な薬剤の生物活性と微小環境についての総合的な洞察を得ることができます。
【データを解釈するために独自開発された MultiimagingTM ソフトウェアを使用】
MultimagingTM は、Aliri 社の開発したソフトウェアであり、マルチモーダル技術を使用したプラットフォームです。このソフトウェアは、IHC、染色、免疫染色および質量分析イメージングの画像結果をオーバーレイする革新的技術を統合しています。また、質量分析イメージングから取得した興味のある化合物のノーマライズおよび定量化を実現しています。本ソフトウェアは、データをノーマライズすることで、リアルな分布のイメージを取得することが可能です。バイオマーカーと医薬品を追跡し、より優れた理解のためにハイエンドな結果を提供します。

サービス内容とワークフロー

お客様のサンプルを用いて、質量分析イメージングを実施いたします。これらの作業は、全て海外提携先である Aliri社にて実施されます。解析の作業内容は、プロジェクト毎に提示されます。
本ワークフローは、ご依頼までの大まかな流れを示した概要を示すものであり、実際のフローは上記と異なる場合があります。
  • ステップ1: 組織切片作成(fig.3
    コア針生検からげっ歯類の全身までサンプルを切片化することが可能です。関心領域を視覚化するために、選択された断面図でクライオスタットを使用して切片化されます。分子分析および形態学的研究のために、5~12μm の切片がスライドガラス上に堆積されます。マウスの全身を対象とする場合、肺、脳、心臓、目、肺、肝臓、胃、腎臓、脾臓、腸などのほとんどの臓器がサンプル内に存在するため、左目側の断面図を選択するのが一般的です。
  • ステップ2: MALDI マトリックスの堆積
    MALDI は、QMSI による分子の検出に使用される最も一般的なイオン化源です。小さな有機分子であるマトリックスは、専用の噴霧器を使用して組織切片の表面に噴霧されます。この方法は、高い感度が得られる様に開発・最適化されています。いくつかの MALDI マトリックスを評価およびテストできます。
  • ステップ3: MSI の取得
    次に、組織切片を含むスライドを質量分析計に導入する MSI 実験フェーズに移ります。取得領域が選択され、機器はレーザー照射により分子を脱着およびイオン化します。レーザー照射位置ごとに検出された分子のスペクトルが登録されます。QMSI に関する独自の専門知識を持ち、データの堅牢性を保証するために、いくつかの特定の品質管理および正規化アプローチが長年にわたって開発されてきました。
  • ステップ4: 染色、免疫染色
    QMSI 取得後、組織切片または隣接する組織切片を染色して、形態やターゲット(酵素、受容体など)などの特定の分子を視覚化します。
  • ステップ5: 分子の分布と定量
    最後に、独自のデータサイエンスとソフトウェアにデータを統合し、分子の局在化を示す画像を構築します。
    MultiimagingTM ソフトウェアを使用することで、全てのデータを統合し、QMSI データセットから目的の分子の生体内分布を生成できます。生体内分布(薬剤または関連代謝物)、組織学的領域ごとの定量化、統計解析、標的曝露スコアリング、組織学的領域ごとの PK プロファイルなどのいくつかのアプローチが可能です。

サンプル条件や納品物

本解析は高度な分析となるため、ご提供いただくサンプルにつきましては、ご希望の解析、お打合せ内容に合わせて提出方法、形状、必要量等をご案内させて頂きます。また、納品物につきましてもご希望いただいた解析内容に合わせて取得できるデータ内容が異なるため、解析内容により取得情報が異なりますので、その点のみあらかじめご了承ください。

ご注文に関して

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参考価格・納期

サービス項目 価格(税抜) 納期
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価格につきましてはプロジェクト内容に依存します。本サービスは1切片でのデータの解釈などができないため、サンプル単位での価格設定は設けておりませんので予めご了承ください。

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