Arraystar / フィルジェン ID: J01795

small RNA Array 受託解析サービス ID: J01795

ベストセラーであるLncRNAマイクロアレイをはじめ、CircRNAマイクロアレイ、T-UCRマイクロアレイ、piRNAマイクロアレイの受託サービスを提供

サービスについて

概要

本サービスは、直接的な末端ラベリングとスマートなプローブ設計に基づいたマイクロアレイ技術を利用して、miRNA、pre-miRNA、tsRNA、tRNA、snoRNAといったsmall RNAを同じアレイ上で同時に検出および定量化し、small RNAの制御およびバイオマーカー研究のための重要な発現情報を提供いたします。

特長

  • 主要なsmall RNAクラスを同時にプロファイリング
    本解析に使用されるマイクロアレイには、miRNA、pre-miRNA、tRNA-derived small RNA(tsRNA)、tRNA および small nucleolar RNA(noRNA)が搭載されています。これらのsmall RNAは重要な制御機能と優れたバイオマーカーとしての可能性を持っており、生物科学的および臨床科学的に非常に興味深いものとなっています。small RNA-seqによるプロファイリングでは、異なる生化学的特性を持つsmall RNAクラスをカバーするために、ライブラリー構築や分析を別々に行う必要があります。例えば、miRNA-seqとtRNA-seqを一緒に実行し、miRNAとtRNAの両方のバイオタイプをプロファイリングすることはできません。一方で本サービスでは、一度の解析でこれらすべてのsmall RNAを1枚のマイクロアレイ上で同時に分析することが可能です。
  • 高感度、高特異性、高精度に低分子RNAをプロファイリング
    本アレイでは、高い親和性のプローブハイブリダイゼーションによって少量のsmall RNAで高感度な解析を実現しています。プローブデザインには、5’ヘアピン構造と正規化された配列ターゲティング領域が組み込まれており、わずか1~2ヌクレオチドの違いでsmall RNAを特異的に区別します(詳しくはこちら)。直接的で簡素化された手順により、small RNA-seqやqPCRよりも偏りのない正確な定量を実現しています。また、RNA-seqによるsmall RNAプロファイリングの長年の課題は、RNA修飾、RNAの折り畳み構造、および複雑なライブラリー調整でした。本アレイでは、small RNAは3’-OH末端でCy3と直接ライゲーションされるため、内部RNA修飾を除去するための前処理や、修飾やRNAの折り畳みによる阻害に起因する不完全な逆転写、歪んだPCRの増幅ステップなどを完全に回避することができます。これらにより、ネイティブなsmall RNAレベルをより忠実に再現し、RNA-seqやqPCRよりも優れた偏りのない高い定量精度を達成しています(詳しくはこちら)。
  • 少ないサンプル量
    本アレイは、わずか100ngのトータルRNAで解析することができ、small RNA-seqと比較してもはるかに少量で解析を行うことが可能です。直接、末端ラベリングを行うことで、RNAの損失を引き起こす可能性のある前処理が不要になるため、特に多く修飾されたRNAバイオタイプ(tRNAやtsRNAなど)の場合のインプットRNA量の需要を大幅に削減することが可能です。サンプル量を確保できない様な条件にも柔軟に対応できる可能性が高まります。
  • 低品質なRNAサンプルにも耐性
    本サービスによるsmall RNAプロファイリングでの直接のRNA末端ラベリングは、逆転写によるcDNAコピーに依存しないため、基質RNA配列のヌクレオチド損傷に対して比較的寛容です。これはsmall RNA配列に沿ったヌクレオチド損傷に対して脆弱なsmall RNA-seqとは対照的です。また、マイクロアレイプローブは関連性の無い配列の存在に影響を受けることはありませんが、small RNA-seqの場合は、サンプル中に含まれるrRNAの分解により生じたフラグメントRNAによって、同様のサイズとなるsmall RNAを汚染し、small RNAのカバレッジを低下させる可能性があります(詳しくはこちら)。

データベース

本サービスは、ヒト、マウス、ラットに対応したマイクロアレイをご用意しています。マイクロアレイの構成内容は以下の通りです。

Human small RNA Expression Array V1.0
プローブ総数 14,707
プローブデザイン プローブ全体には、5’キャップセグメント、small RNA ハイブリダイゼーション用の特定の配列、および3’リンカーが含まれます。
プローブ部位 5-p-miRNAs および 5’tsRNAs:small RNAの3’配列
3-p-miRNAs および 3’tsRNAs:small RNAの5’配列
Pre-miRNA:pre-miRNAのループ配列
tRNA:成熟tRNAのアンチコドンループ配列
snoRNA:snoRNA中の特異的配列領域
プローブ特異性 small RNA 特異的
miRNA のカバレッジ 2,627(1,318 5-p-miRNA および 1,309 3-p-miRNA)
tsRNA のカバレッジ 4,254
pre-miRNA のカバレッジ 1,745
成熟 tRNA のカバレッジ 346
snoRNA のカバレッジ 955
small RNA ソース miRNA:miRBase(v22)
tsRNA:tRFdb, MINTbase, GtRNADb(Updated to 18.1 2019.08)
pre-miRNA:miRBase(v22)
tRNA:GtRNADb(Updated to 18.1 2019.08), ENSEMBL(v99)
snoRNA:ENSEMBL(v99)
参考文献:Scientific publications up to 2019(references 1-40)
アレイフォーマット 8×15K
Mouse small RNA Expression Array V1.0
プローブ総数 14,895
プローブデザイン プローブ全体には、5’キャップセグメント、small RNA ハイブリダイゼーション用の特定の配列、および3’リンカーが含まれます。
プローブ部位 5-p-miRNAs および 5’tsRNAs:small RNAの3’配列
3-p-miRNAs および 3’tsRNAs:small RNAの5’配列
Pre-miRNA:pre-miRNAのループ配列
tRNA:成熟tRNAのアンチコドンループ配列
snoRNA:snoRNA中の特異的配列領域
プローブ特異性 small RNA 特異的
miRNAのカバレッジ 1,949(966 5-p-miRNA および 983 3-p-miRNA)
tsRNAのカバレッジ 1,809
pre-miRNAのカバレッジ 1,122
成熟 tRNAのカバレッジ 270
snoRNAのカバレッジ 1,323
small RNAソース miRNA:miRBase(v22)
tsRNA:tRFdb, GtRNADb(Updated to 18.1 2019.08)
pre-miRNA:miRBase(v22)
tRNA:GtRNADb(Updated to 18.1 2019.08), ENSEMBL(v99)
snoRNA:ENSEMBL(v99)
参考文献:Scientific publications up to 2019(references 1-40)
アレイフォーマット 8×15K
Rat small RNA Expression Array V1.0
プローブ総数 14,238
プローブデザイン プローブ全体には、5’キャップセグメント、small RNA ハイブリダイゼーション用の特定の配列、および3’リンカーが含まれます。
プローブ部位 miRNA と tsRNA: 低分子 RNA の 3’ 配列
pre-miRNA: pre-miRNA のループ配列
tRNA: 成熟 tRNA のアンチコドンループ配列
snoRNA: snoRNA の全長に沿った特定の配列
プローブ特異性 small RNA 特異的
miRNAのカバレッジ 749(355 5-p-miRNA および 394 3-p-miRNA)
tsRNAのカバレッジ 1,135
pre-miRNAのカバレッジ 448
成熟 tRNAのカバレッジ 197
snoRNAのカバレッジ 1,486
small RNAソース miRNA:miRBase(v22)
tsRNA:tRFdb, GtRNADb(Updated to 18.1 2019.08)
pre-miRNA:miRBase(v22)
tRNA:GtRNADb(Updated to 18.1 2019.08), ENSEMBL(v99)
tRNA:GtRNADb(Updated to 18.1 2019.08), ENSEMBL(v99)
snoRNA:ENSEMBL(v99)
アレイフォーマット 8×15K

ワークフロー

本サービスでは、サンプル調整からデータ解析まで、small RNAのプロファイリングをフルパッケージでご提供しております。ご提供頂いたRNAサンプルの品質チェック(QC)後、以下のステップで解析を行います。

Total RNA
3’末端脱リン酸化(3’-cP、3’-P)
全RNAをT4ポリヌクレオチドキナーゼ(T4 PNK)で処理し、3’末端から残留リン酸(P)および環状リンさん(cP)基を除去し、3-OHを露出させます。
3-OH末端のsmall RNAは、DMSOによって編成され、ライゲーションによってCy3で酵素的に標識されます。
標識されたRNAは、small RNA発現プロファイルの分析のために、Arraystar small RNA Expression Microarrayにハイブリダイズされます。
3’-OH 末端 RNA
DMSO変性、Cy3ラベリング
標識 RNA
small RNA Microarrayとのハイブリダイゼーション
AgilentスキャナーG2505Cによるスライドスキャン
データ解析(データ抽出、解析、要約)
small RNA プロファイル
(miRNA、tsRNA、pre-miRNA、tRNA、snoRNA)

納品物

解析完了後、弊社報告書の他、以下のデータをDVD等の記録メディアに収録してご提供いたします。

  1. 解析ソフトウェア上から精製された全てのマイクロアレイ生データファイル
  2. Arraystar社による実施プロジェクトの解析レポート(Word形式)
  3. 以下のデータを含む解析結果(excel形式)
  4. ・Rawシグナルおよび正規化された強度データ
    ・fold-changeおよびp-valueのカットオフ(通常はFC≧2、p≦0.05)によって差次的に発現したsmall RNA
    ・miRNA、pre-miRNA、tsRNA、tRNA、snoRNAの詳細なアノテーション
  5. ボックスプロットおよびスキャッタープロット
  6. 階層クラスタリングヒートアップ
  7. ボルケーノプロット
  8. サンプルQCレポートおよびマイクロアレイQCレポート(pdf形式)

サンプル条件

品質条件 詳細
サンプルタイプ TotalRNA
必要量 推奨量:>2μg、最低量:>1μg
濃度(Nanodropに基づく) 推奨>100ng/μL、最低>20ng/μL
純度(Nanodropに基づく) O.D.260/280:>1.8
O.D.260/230:>1.8
RNA Integrity ゲル電気泳動:18Sおよび28S rRNAのバンドが確認でき、28Sおよび18S rRNAのバンド比が2:1程度であること。
BioAnalyzer:RIN>7.0

* 血清、血漿、エクソソームおよびFFPEなど、分解や断片化され品質低下がよく知られているサンプルに由来するRNAについては、解析結果の品質が低い可能性があります。お客様の同意があれば、ご提出いただいたサンプルで解析を行うことは可能ですが、データ品質が悪い、あるいはデータが取得できない可能性もあり、データ取得の保証はできませんので、予めご注意ください。

* DNase、RNaseフリーの1.5mlまたは2mlマイクロチューブを使用してください(スクリューキャップ式を推奨)
* ヌクレアーゼフリーの分子生物学グレードの水に溶解し、-80℃で保存してください。
* サンプルはDNase処理を行うことを推奨いたします。
* UVスペクトルベースの濃度測定法では不正確になる場合がありますので、蛍光ベースでの測定を強く推奨します。
* UVスペクトルベースで測定した場合、上記よりも多いサンプルをご準備ください。

ご注文に関して

お問い合わせフォーム よりお問い合わせください。

参考価格・納期

サービス名 生物種 受注受付 価格(税抜) 納期 品番
small RNA Array受託解析サービス ヒト 1サンプルから受付 ¥150,000 お問い合わせ F-AS-SRNH-[サンプル数]
マウス 1サンプルから受付 ¥150,000 F-AS-SRNM-[サンプル数]
ラット 1サンプルから受付 ¥150,000 F-AS-SRNR-[サンプル数]

関連サイト