概要
ご依頼の試料を用いてマクロファージを刺激した後、マクロファージの活性化を各種活性指標により、解析する受託サービスです。
マクロファージはすべての多細胞動物が持つ、自然免疫機能の中で、最も基盤となる異物を認識し、貪食して排除する細胞です。マクロファージの活性化より、生物本来が持つ生体恒常性維持能力を高め、感染症予防や、がんの排除、創傷治癒などの機能が亢進します。この活性化能を各種項目によって評価することで、サンプルの機能性を評価します。
マクロファージのNO産生試験
- マクロファージ細胞株(RAW264.7やNR8383、J774.1など)培養液中にご依頼の試料を添加し、24~72時間後の培養上清を回収します。一酸化窒素(NO)産生能として、上清中の亜硝酸量を、グリエル試薬を用いて測定します(fig.1)。
- ご依頼の試料をポリミキシンBと混合し、NO産生能を測定することも可能です。
* マクロファージは由来する組織により反応性が著しく異なります。
* 上記の各試験項目の
in vivo(マウス)での試験は、条件により対応可能な場合があります。詳しくはご相談ください。
マクロファージのNO産生(
fig.1)
ラット末梢血単球(PBM)と肺胞マクロファージ(AM)細胞株(NR8383)のNO産生能の比較。ラット末梢血から単球を回収した。細胞に
E. coli由来のLPSを各濃度(0.01~100ng/mL)添加し24時間後の培養上清を回収した。グリエル試薬を用いて、上清中の亜硝酸量を測定した。
マクロファージのTNF産生試験
マクロファージ細胞株(RAW264.7やNR8383、J774.1など)培養液中にご依頼の試料を添加し、3~24時間後の培養上清を回収します。上清中のTNF量はELISAによる測定のほか、L-929細胞傷害試験による測定も承っています(
fig.2)。
* 上記の各試験項目の
in vivo(マウス)での試験は、条件により対応可能な場合があります。詳しくはご相談ください。
マクロファージのTNF産生(
fig.2)
ラット肺胞マクロファージ(AM)細胞株(NR8383)のTNF産生能。
NR8383細胞に
E. coli由来のLPSを各濃度(0.1~1,000ng/mL)添加し3時間後の培養上清を回収した。L-929細胞傷害試験(アクチノマイシンD存在下)試験でTNF産生量を測定した。
マクロファージのサイトカイン産生試験
マクロファージ細胞株(RAW264.7やNR8383、J774.1など)培養液中にご依頼の試料を添加し、3~24時間後の上清中の、各種サイトカインのタンパク質量を市販のELISAキットを用いて定量いたします。
* 上記の各試験項目の
in vivo(マウス)での試験は、条件により対応可能な場合があります。詳しくはご相談ください。
マクロファージの貪食活性試験
マクロファージ細胞株(RAW264.7やNR8383、J774.1など)培養液中にご依頼の試料を添加して、回収した細胞に蛍光ラテックスビーズまたはザイモサンなどを貪食させて、マクロファージの割合、貪食した粒子数を測定します(
fig.3)。接着しただけのラテックスビーズはほぼ完全に除去されるため、非特異的な吸着による誤差がほとんどありません。
* 上記の各試験項目の
in vivo(マウス)での試験は、条件により対応可能な場合があります。詳しくはご相談ください。
ラテックスビーズの貪食(
fig.3)
NR8383 細胞に蛍光ラテックスビーズを貪食させた後、洗浄し、ギムザ染色をした。
矢印:ビーズ