概要
分子内を架橋させることで、安定化したαヘリックス構造を有するペプチドを合成する受託サービスです。安定化したαヘリックス構造を有するペプチドは、プロテアーゼによる分解を受けにくくなります。
特長
- αヘリックス構造が安定化されることにより、細胞膜透過性や標的分子へのアフィニティの向上が期待されます。
- タンパク質相互作用の研究や、薬物動態の研究に有用です。
分子内架橋ペプチドの合成法(fig.1)
オレフィンメタセシス反応を用いて(S)-α-(2’-pentenyl) alanine同士を架橋させ、αヘリックス構造を安定化させる。
ペプチドの配列:XXF
ZDLL
ZYYGX (
Z=(S)-α-(2’-pentenyl) alanine)
適用例
A. in vitro 生化学分析
- Fluorescence polarization, surface plasmon resonance, ELISA, FRET, BRET, isothermal calorimetryなどを利用した、標的分子に対する架橋ペプチドの特異的な結合能の研究
- 架橋の組成と配置、測定したα-ヘリックス(CDスペクトル)、全体の電荷および化合物の溶解度に基づくCタンパク質 / リガンドタンパク質間の相互作用、および構造と機能の関連性の研究
- in vitro 機能活性に対するアフィニティ / 相互作用の関連性の研究
- co-IPとアフィニティプルダウンアッセイによる標的天然複合体に対する架橋ペプチド能力の評価
例:細胞ライセート中の標的タンパク質をFITC、ビオチンまたは光反応性物質を用いて、架橋ペプチドプルダウンアッセイし、
その後ウエスタンブロッティングやプロテオーム解析によりタンパク質を検出する。
B. 細胞への取り込みと活性解析
- ライブ共焦点顕微鏡やFACS解析などによるFITC架橋ペプチドを用いた細胞への取り込みの直接測定
- 光学顕微鏡(trypan blue色素排除試験法など)やLDH放出アッセイによる膜破壊性ペプチドのスクリーニング
- 細胞透過性架橋ペプチドを用いた細胞解析
- 動物モデルにおけるin vivo有効性と作用機構の研究