概要
グライコブロッティング法とは(fig.1)
化学選択的な糖鎖捕捉反応に基づいて、生体試料由来糖鎖の網羅的かつ定量的なプロファイル取得を大幅に高速化する技術です。生体分子中で糖鎖にのみ存在するアルデヒド基を、ヒドラジド基を有するビーズで糖鎖だけを選択的に捕捉し、ビーズ上でメチル化、ラベル交換反応を行うことで、迅速な糖鎖解析を可能とします。この方法によってペプチド、脂質、タンパク質、DNA など大量の夾雑物が存在する生体試料から糖鎖のみを抽出、定量解析することが可能です。
本サービスは、ファーマフーズ社と医化学創薬株式会社との業務提携により提供します。
装置
質量分析計:TOF/TOF
™ 5800 システム(株式会社エービー・サイエックス)
オプション解析
NMRを用いた糖鎖解析
NMR を用いた、より詳細な構造解析も可能です。長年の経験と知識、ノウハウの蓄積によって、糖鎖構造に関する詳細な情報を明らかにします。
1H、
13Cと各種2次元NMR(DQF-COSY、TOCSY、HSQC、NOESY、HMBCなど)を駆使し、糖の種類、糖鎖結合パターンなどお客様が必要とするデータを提供いたします。
解析可能な検体・必要量・納期
1. N型糖鎖解析
検体の種類 |
必要量 |
納期の目安 |
血清・血漿(ヒト)(*) |
100µL |
2週間 |
血清・血漿(マウス) |
50µL |
2週間 |
細胞 |
10cm dish1枚分 |
4週間 |
組織(*) |
10mg |
4週間 |
タンパク質 |
100µg |
2週間 |
FFPE切片 |
1cm2, 3µm×3 |
4週間 |
2. O型糖鎖解析
検体の種類 |
必要量 |
納期の目安 |
血清・血漿(ヒト)(*) |
100µL |
4週間 |
血清・血漿(マウス) |
50µL |
4週間 |
精製タンパク質 |
100µg |
4週間 |
3. 糖脂質
検体の種類 |
必要量 |
納期の目安 |
血清・血漿(ヒト)(*) |
100µL |
4週間 |
細胞 |
10cm dish1枚分 |
6週間 |
組織(*) |
10mg |
6週間 |
* 臨床検体については 、感染症法で定められた特定病原体、およびBSL3以上の検体を受け入れることができません。
ファーマフーズ アプロサイエンス社は国立感染症研究所のBSL分類に準じています。
ご報告内容
- 内部標準による規格化データ一覧(エクセルファイル)
- 推定構造一覧
- 作業報告書
注意事項
充分なサンプル量があっても全く未知の糖で構成されている糖鎖である場合は、MSで質量を求めてもこれまでの糖鎖情報が使えないため推定構造が得られない場合があります。
ご依頼に必要な情報
- サンプルの種類、由来
- 臨床サンプルの場合、インフォームドコンセントを取っていること
- 冷凍状態での保存、輸送
- サンプルの調製日