概要
Kinexus社では、プロテオミクスサービスを総合的にサポートするため、ペプチドアレイ作製サービスを提供しております。
ペプチドアレイは、タンパク質間相互作用や薬物-タンパク質間相互作用の解析において有用なツールです。
アレイの内容
Kinexus社では、スクリーニングの目的に応じて、様々なアレイフォーマットでの作製を承っております。
アレイフォーマットは、下記よりご選択ください。
- Epitope Mapping(Peptide Scan)-CPAP1(fig.1)
Epitope Mappingは、抗体の結合領域の同定や標的タンパク質の結合配列のスクリーニング解析などに非常に有用なアレイフォーマットです。通常、10~15アミノ酸長の合成ペプチドを使用し、各ペプチドは、1から3アミノ酸がフレームシフトした配列となっております。
- Substitution Analysis(Replacement Analysis, Mutational Analysis)-CPAP2(fig.2)
Substitution Analysisは、ペプチド配列中のアミノ酸を置換することで、ペプチドに対する置換アミノ酸の影響を解析するために有用なアレイフォーマットです。
ペプチド配列中の標的アミノ酸を、他のアミノ酸またはビルディングブロックへ置換することが可能です。
- Truncation Analysis(Length scan)-CPAP3(fig.3)
Truncation Analysisは、ペプチド活性の最短配列の解析などに有用なアレイフォーマットです。ペプチド配列のバリエーションは、C末端、N末端または両末端から、アミノ酸を欠損した配列を合成します。
- Random Peptide Library-CPAP4(fig.4)
ペプチドの初期スクリーニングなど、参照する配列がお決まりでない場合のスクリーニングに適したアレイフォーマットです。ランダムなペプチド配列にて構成されたライブラリーであり、下記のCombinatorial Peptide Libraryに比べて、各配列はユニークな配列を使用しております。
Kinexus社では、通常、12または15アミノ酸長の1,200ペプチドを有するペプチドライブラリーを提供しております。
- Combinatorial Peptide Library-CPAP5(fig.5)
Combinatorial Peptide Libraryは、ペプチド配列の複数のアミノ酸を他のアミノ酸やビルディングブロックへランダムに置換したペプチドライブラリーにて構築されます。ペプチド内のアミノ酸モチーフや配列パターンを維持した配列にて、ペプチドライブラリーの構築が可能なアレイフォーマットです。
- Cluster Peptide Library-CPAP6(fig.6)
配列中に存在するアミノ酸を、類似した性質のアミノ酸へ置換するアレイフォーマットです。(例えば、疎水性アミノ酸であればIle、Leu、Valなど、立体構造であればSer、Cys、Abuなど)Cluster Peptide Libraryは、膨大なペプチドライブラリーをより簡略化し、迅速にスクリーニングを行う場合に有用なアレイフォーマットです。
- Loop Scan (Cysteine Scan)-CPAP7(fig.7)
ループ構造を安定化させたい場合やタンパク質分解に対する耐性を増加させたい場合には、ペプチドを環状化させる方法が有用です。Kinexus社では、ペプチド配列内の2ヶ所にシステインを挿入または置換することで、ペプチドに対する環化の影響を解析するために有用なアレイフォーマットを提供いたします。なお、ペプチドのアミノ基およびカルボキシ基を用いたアミドループスキャンにも対応可能です。
- Customized Peptide Library-CPAP8
お客様がお持ちのペプチド配列をセルロースメンブレン上にスポットし、アレイスライドのみを作製するアレイフォーマットです。
上記以外のアレイフォーマットをご希望のお客様はご相談ください。
その他
- メンブレンについて
Commercial Membrane、エステル型膜とエーテル型膜の3種類のメンブレンでの提供が可能です。
- Commercial Membrane
化学物質耐性の強いセルロースメンブレンです。強力な再生処理等にも安定的です。
- エステル型膜
エステル型膜は通常アミノ酸で修飾されます。Kinexus社では標準的β-アラニンまたはグリシンで修飾しています。必要に応じて他の修飾を行うことも出来ます。このタイプの膜は、溶液アッセイで使用するために膜に吸着された有利ペプチドの生産に非常に有用です。この目的のために、Kinexus社では共通の穴パンチャーを用いて打ち抜くのに十分な大きさの大きなドットでペプチドを合成しています。セルロースからの切断後、C末端のペプチドはメンブレンの修飾由来のアミノ酸を保持しています。また、これらのペプチドは適当な溶媒に容易に溶解することができ、標準的な修飾では、各ペプチドの量は200~300nmolです。
- エーテル膜について
Kinexus社では2種類のエーテル型修飾膜を提供可能です。
- N-CAPE
N-CAPE(N-修飾セルロースアミノプロピルエーテル)膜はセルロースとペプチドの間に短いアミノプロピル分子を持ちます。
- TOTD(トリオキサトリデカンジアミン)膜
セルロースとペプチドの間に3つのポリエチレン‐グリコール単位(PEG-3)を持ち、より親水性を示します。この親水性は、疎水性相互作用によって引き起こされる非特異的シグナルおよびバックグラウンドをより軽減する効果が見込まれます。
尚、アレイされたペプチドはどちらの膜にも安定的に結合し、結合活性の損失はありません。
(オプション)CelluSpotsTM について
CelluSpot
TM 技術により、セルロースメンブレン上で合成したペプチドを、高いアクセシビリティを有する三次元構造を維持したまま、セルロースメンブレンごとガラススライド上にスポットします。
CelluSpots
TM 技術にて得られた三次元構造のスポットには、単層構造に比べて、面積あたり最大100倍以上のペプチドがスポットされています。最大384スポット(Duplicate)まで対応可能です。ご希望の場合は別途お問い合わせください。