概要
KREX
TM テクノロジーは、正しい三次構造を有する機能的に検証された完全長タンパク質を生成する Sengenics社独自の技術です。この特許取得済みの技術では、ビオチンカルボキシルキャリアタンパク質(BCCP)が、フォールディングマーカーとして各アレイタンパク質のフレーム内にコード化されています。誤って、フォールディングされたタンパク質や断片化されたタンパク質は、BCCPの誤ったフォールディングを引き起こし、そのビオチン部位を覆い隠し、ストレプトアビジンでコーティングされたアレイ表面への結合を妨げます。固定されたタンパク質は、折り畳まれた構造を維持し、ハイドロゲルでコーティングされたアレイ表面上で自由に動作します。(
fig.1)
これらは、タンパク質が正しい三次元構造を有する場合にのみ利用可能な立体構造エピトープが認識する自己抗体ベースのアッセイにとって重要な特長となります。
測定原理
- 希釈した血清 / 血漿サンプルを添加します。(fig.2)
- サンプル内の自己抗体は、固定化されたネイティブな組み換えヒトタンパク質によって捕捉されます。
結合していない物質は、洗浄によって除去されます。(fig.3)
- 捕捉された自己抗体は、1つまたは2つの抗体アイソタイプによって検出されます。
例)Cy3蛍光色素に結合した抗ヒト IgG およびCy5蛍光色素に結合した抗ヒトIgA(fig.4)
アレイのラインアップ
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【i-Ome® Discovery】
Sengenics最大のタンパク質マイクロアレイで、1,800種類以上のヒトタンパク質抗原を搭載します。
無数のタンパク質の機能クラスと疾患カテゴリに焦点をあてた、バイオマーカー発見に最適なソリューションです。
i-Ome® Discovery は、1スライドにつき 1サンプルの解析を行います。各タンパク質は、4重にスポットされており、統計的な正確性が確保されます。また、KREXTM テクノロジーにより、タンパク質の三次構造を維持することで、機能性タンパク質マイクロアレイの品質と再現性を向上させます。
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【i-Ome® Cancer】
最大かつ最先端のがんに特化したタンパク質マイクロアレイです。
がんにおける重要性に基づいて選択された 500種類以上の抗原に対する自己抗体を、同時に高い精度でプロファイリングする様に設計されています。これらのタンパク質抗原は、組織と経路関連性、治療標的、サイトカインとケモカイン、がんドライバータンパク質、予後指標、がん精巣抗原、B細胞と自己抗体の標的、異所性発現など、がんにおける重要性に基づいて、選択されており、疾患のメカニズムの解明、ワクチンや薬剤の開発、早期がん検出の促進に最適です。
i-Ome® Cancer は、1スライドにつき4ブロックあり、ブロックごとに各タンパク質が3重にスポットされています。
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【OncoRex p53 Cancer Array】
がんにおいて最も一般的に変異するタンパク質をターゲットにしたタンパク質マイクロアレイです。100種類以上のp53野生型および変異型バリアントを備えたこのアレイは、治療用抗体およびタンパク質結合化合物の正確なスクリーニングを可能にします。
OncoRex p53 Cancer Array は、1スライドにつき4ブロックあり、ブロックごとに各タンパク質が4重にスポットされています。
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【Pan-Autoimmune Protein Array】
SLE、RA、シェーグレン症候群、糖尿病など、様々な自己免疫疾患に関連する100種類以上の臨床的に関連するタンパク質抗原を搭載するタンパク質マイクロアレイです。
Pan-Autoimmune Protein Arrayは、1スライドにつき4ブロックあり、ブロックごとに各タンパク質が4重にスポットされています。
<Explore the Sengenics protein database>
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Sengenics タンパク質データベース
各ラインアップに搭載されるタンパク質を検索できます。
<実験デザイン例>*i-Ome AI Manual より抜粋
i-Ome アレイを使用する場合、少なくとも以下の条件で実施することが推奨されます。
80% power, 1.6 FC, FDR 0.01
・抗体が検出可能かどうかを評価するためのパイロットスタディ-----グループあたり10検体以上
・個体内の抗体の動きや変化のパターンを複数時点で比較する-----グループあたり15検体以上
・個体内における抗体レベルを特定の介入前後で比較する-----グループあたり25検体以上
・独立したグループ間で抗体定量比較を行う-----グループあたり41検体以上
・分子サブタイピング-----150検体
サービスの流れ
- お預かりしたサンプルの調製
- プロテインアレイへのサンプルの添加、反応
- 洗浄作業
- 検出抗体の添加、反応
- 洗浄作業
- スキャニング(GenePix® 4100A にて、画像を読み取ります。)
- データ解析
GenePix® Pro 7にて、画像から数値データを取得します。
i-Ome AIを用いてノーマライゼーション等を行い、比較解析結果をCDに収めてご報告します。
<納品物> *納品物は、プロジェクトに依存して追加/変更される場合があります。
・Rawデータ(tiff ファイル)
・サンプル間比較データ(Excel ファイル)
・スライド画像データ(JPEG ファイル)
- データCD発送
データCDを密封し、直送あるいは、代理店から発送いたします。