環境総合リサーチ / 環境総合リサーチ ID: J01892

環境DNA解析 ID: J01892

サービスについて

環境DNA解析とは(fig.1

  1. 環境DNAとは、海や川・湖沼・土壌などの環境中に存在する生物由来のDNAを指します。
  2. 環境DNAを解析することで、そこに生息する生物の種類やおおよその生物量の把握が可能です。
  3. 環境DNAを用いると調査が採水のみで可能となるため、これまで調査にかかっていた労力や環境への負荷などを削減できる画期的な調査手法として注目されています。

環境DNA解析を生物調査に適用するメリット

  1. 対象種を捕獲する必要が無く、調査地を荒らさずに対象種の生息確認が出来ます。
  2. 調査地では採水のみなので、短時間に広い範囲を調査可能です。
  3. 捕獲が困難な種(絶滅危惧種や導入初期の外来生物)の分布把握が可能です。
  4. 水産資源量の推定にも応用が可能です。

サービス内容

  • Step 1:検出方法をお選びください

    種特異的検出 ・特定の生物種がいるかを知りたい。
    → Real time PCR
    ・特定の生物種のDNA量をはかりたい。
    → 定量PCR(qPCR)
    プライマー・プローブの設計
    ・対象種のDNAのみを増幅させるプライマーを設計します
    ・定量PCRの場合はプローブも設計します
    * ポジティブコントロールとして肉片もしくは確実に生息していた水サンプルを入手できることが望ましいです
    網羅的検出 ・調査地点の生物の種組成を知りたい。
    → メタバーコーディング
    ・複数地点で多種の量的な比較がしたい。
    → 定量メタバーコーデイング
    (Tourlousse et al.2017, Ushio et al.2018)
    低労力かつ短時間にその地点の生物の種構成を把握可能。
    魚類 :MiFish-U, U2, E(*1)(*2)
    哺乳類:MiMammal
    甲殻類:MiDeca
    鳥類 :MiBird
    細菌 :16S rRNA遺伝子(V3-V4領域)
    既知濃度の合成DNAをサンプルに混ぜ合わせる事で、同時に多種の定量が可能&PCR阻害も考慮した評価が可能。
    *1 Ev2, U2はUでは増幅されにくい分類群のDNAを増幅させるプライマー
    *2 Ev2, U2以外の追加プライマーでの対応も可能です
    遺伝的多様性の検出 ・同種内の遺伝子の多様性を解読したい。
    → Miseqによる塩基配列決定
    → DADA2によるデノイス
    (Callahan et al.2016)
    捕獲を伴う調査により明らかにされてきた種の多様性に加えて、目視で判別できない遺伝的多様性(ハプロタイプ)を環境DNAから把握可能。

    (過去の適用研究)
    ・Sigsgaard et al. 2018 : イルカの遺伝的多様性
    ・Parsons et al.2018:ネズミイルカの遺伝的多様性
    ・Tsuji et al.2019:アユの遺伝的多様性

    一つのサンプルで複数の検出方法・検出種を組み合わせることも可能です。

  • Step 2:分析サンプルの状態をお選びくださいfig.2
  • Step 3:データ解析
    MiFish pipelineによる魚類の分子同定
    ・遺伝的多様性解析:DADA2、生物種の分子同定:Usearch

    種の特定のみならず、群集構造解析も提供することが可能です。お気軽にお問い合わせください。

過去の検出事例

環境DNA網羅的解析(一部)
対象生物
Fish 魚類
Hynobius
Andrias
Onychodactylus
サンショウウオ属
オオサンショウウオ属
ハコネサンショウウオ属
Frog カエル類
Mammal 哺乳類
Avian 鳥類
Algae 藻類
Eukaryota 真核生物
Bacteria 細菌叢
Prokaryota 原核生物
Ammonia oxidizing bacteria アンモニア酸化細菌
Water invertebrate
Insecta
水生昆虫
Decapoda 甲殻類
環境DNA種特異的解析(一部)
対象生物
Liobagrus reini アカザ
Cynops pyrrhogaster アカハライモリ
Plecoglossus altivelis アユ
Mauremys japonica イシガメ
Acheilognathus longipinnis イタセンパラ
Parahucho perryi イトウ (核DNA)
Parahucho perryi イトウ (ミトコンドリアDNA)
Salvelinus sp. イワナ属
Lithobates catesbeianus ウシガエル
Micropterus salmoides salmoides オオクチバス
Andrias japonicus オオサンショウオ
Engraulis japonicus カタクチイワシ
Chimarrogale platycephalus カワネズミ
Limnoperna fortunei カワヒバリガイ
Oryzias sakaizumii キタノメダカ
Cyprinus carpio コイ
Micropterus dolomieu コクチバス
Oncorhynchus masou (masou, isikawae) サクラマス・サツキマス
Oncorhynchus keta シロサケ
Anguilla japonica ニホンウナギ
Cambaroides japonicus ニホンザリガニ
Hynobius hidamontanus ハクバサンショウウオ
Onychodactylus japonicus ハコネサンショウウオ
Opsariichthys uncirostris ハス
Actinobacteria 放線菌
Lefua echigonia ホトケドジョウ
Acheilognathus tabira jordani ミナミアカヒレタビラ
(富山)
Oryzias latipes ミナミメダカ
環境DNAハプロタイプ解析(一部)
対象生物
Plecoglossus altivelis altivelis アユ
Salvelinus イワナ
組織片からの種の同定、糞便からのホスト種の推定(一部)
対象生物
Mustela sp. イタチ (ニホンイタチ ⇔ チョウセンイタチ)
Lethenteron sp. スナヤツメ (南方種 ⇔ 北方種)
Rana sp. タゴガエル (ネバタゴガエル ⇔タゴガエル)
Martes sp. テン (テン ⇔ クロテン)
Misgurnus sp. ドジョウ (キタドジョウ ⇔ ドジョウ)
- 哺乳類の糞便のホスト種

目に見えない生物も・・・
16S rRNA遺伝子(V3-V4領域)をPCRで増幅することで、環境中の細菌叢解析を行います。
ご要望に応じて既報の特異的な検出系での分析や、新たな検出系の設計も行います。
また、細菌以外の微生物に対しての菌叢解析もご相談に応じて対応いたします。
上記以外についてもぜひお問合せください。

解析

  • 網羅的解析
    網羅的解析は主に、魚類、哺乳類、鳥類、細菌叢を対象としています。

    MiFishを用いた魚類相解析でweb解析をご希望の場合は公式のチュートリアルに従い、原則デフォルト設定で解析を実施いたします。また、設定値のご希望がある場合はメールまたは分析依頼書の備考欄に記載いただきますようお願いいたします。

    また、環境総合リサーチではお客様へのご質問対応と検出精度向上のために、魚類相はMiya et al.2015, 哺乳類相,鳥類相はUshio et al.2017, 2018に従いデータベースを作成、Takeuchi et al.2019, Komai et al.2019に従いパイプラインを作成し、社内で解析を実施しております。
    網羅的解析結果サンプルフォーマット
  • 遺伝的多様性解析
    遺伝的多様性解析は1塩基多型を識別する必要があることからTsuji et al.2019に従いDADA2 (Callahan et al.2016)を用いた解析を実施しております。
    遺伝的多様性解析結果サンプルフォーマット
  • 種特異的解析
    種特異的解析はQuantStudio 3を用いて、リアルタイムPCRによる検出を実施しております。 また、定量を行う場合には、確実に検出されるサンプルが必要なため、対象種の組織片もしくは飼育水などの入手が必要になる場合があります。
    Real-time PCR結果サンプルフォーマット
    qPCR結果サンプルフォーマット

ご注文に関して

以下のファイルをご利用の上、お問い合わせフォーム からご送付ください。

参考価格・納期

サービス項目 価格(税抜) 納期
環境DNA解析 お問い合わせ お問い合わせ

* 網羅的解析は1ヶ月、種特異解析は2週間を目途に納品しております。状況によって変動しますのでご相談ください。

* 定量分析を実施する場合には、追加費用が必要です。

関連サイト