特長
- CRISPR/Cas9システムを利用したノックアウト / ノックイン細胞作製
- sgRNA設計から承ります
- iPS細胞のゲノム編集も承ります
概要
RNA guided endonucleaseはバクテリアの獲得免疫システムであるCRISPR / Cas9システム由来のRNA誘導型人工ヌクレアーゼで、従来型の人工ヌクレアーゼとは異なり、ガイドRNA(gRNA:guide RNA)とCas9エンドヌクレアーゼ(タンパク質)の二つの異なる分子が、標的DNA配列の認識とDNA二本鎖切断の働きをそれぞれ別々に担います。こうした特徴から、従来型人工ヌクレアーゼに対しRNA guided endonucleaseの設計が比較的容易である一方、本法は、従来技術と同等のゲノム編集効果が得られること、ならびに、複数箇所の同時ゲノム編集が容易に行えることなどから、新たなゲノム編集法として注目を集めています。
本サービスは、ゲノムへの変異導入を目的にCRISPR/Cas9システムにて設計した組換えCas9タンパク質及びsgRNAを用いて、供与いただいた細胞の遺伝子ノックアウト / ノックイン細胞の作製受託サービスを承ります。
サービス内容
- CRISPR/Cas9システムを利用したノックアウト細胞の作製
お客様から提供いただく任意の哺乳動物細胞に、sgRNA(single-guide RNA)およびCas9タンパク質の複合体(RNP)をトランスフェクションします。トランスフェクション後のプール細胞について、Guide-it Mutation Detection Kit(製品コード 631443 / 631448)を用いたアッセイによりターゲット特異的にDNAの切断、変異導入が生じたことを確認します。そのプール細胞からシングルクローン化した細胞について、ダイレクトシーケンスを行い、シーケンス結果を納品します。
- 細胞表面発現遺伝子ノックアウト細胞作製
細胞表面に発現する遺伝子を標的とされているお客様にお勧めです。
お客様から提供いただく任意の哺乳動物細胞に、sgRNAおよびCas9タンパク質の複合体(RNP)をトランスフェクションします。トランスフェクション後のプール細胞について、フローサイトメトリー(FCM)解析によりゲノム編集確認を行います。ノックアウト(KO)効率が不十分な場合は、磁気ビーズを使用した標的遺伝子ノックアウト細胞株の濃縮を実施します。そのプール細胞から得られたクローンについて、FCM解析によりゲノム編集確認を行います。
* アイソタイプコントロールと標的遺伝子の抗体による染色ピークの分離が可能なもの、かつPEまたはAPC直接標識抗体のご提供が可能な場合のみの対応となります。
「磁気ビーズ選択を利用したゲノム編集ノックアウト細胞株の作製実施例」もご参照ください。
- CRISPR/Cas9システムを利用したノックイン細胞の作製
お客様からご提供いただく任意の哺乳動物細胞に、sgRNAおよびCas9タンパク質の複合体(RNP)、および目的遺伝子挿入用ssOligo DNAをトランスフェクションします。トランスフェクション後のプール細胞について、Guide-it Mutation Detection Kit(製品コード 631443/631448)を用いたアッセイによりターゲット特異的にDNAの切断、変異導入が生じたことを確認します。そのプール細胞から限界希釈法等によりシングルクローン化します。シングルクローン化した細胞についてダイレクトシーケンスを行い、シーケンス結果を納品します。また、ドナープラスミドDNAを用いたノックイン細胞作製も承ります。取得したクローンについてPCR解析による変異導入の有無確認を行います。
オプションとして、フローサイトメトリー(FCM)解析やTAクローニングによるシーケンス解析なども承ります。
Cas9ヌクレアーゼに代えてCas9ニッカーゼを用いたゲノム編集細胞作製も承ります。ニッカーゼの利用により、オフターゲットリスクの低減が期待できます。
- 発光ペプチドタグ「HiBiT」(Promega) を利用したノックイン細胞の作製
内在性のプロモーターによる遺伝子発現およびタンパク質量のモニタリングをお考えのお客様にお勧めです。
HiBiTは、サイズが小さいためssOligoDNAで標的遺伝子に導入することが可能です。お客様から提供される任意の哺乳動物細胞に、sgRNAおよびCas9タンパク質の複合体(RNP)、および目的遺伝子挿入用ssOligo DNA(HiBiT含む)をトランスフェクションします。トランスフェクション後のプール細胞について、Guide-it Mutation Detection Kit(製品コード 631443/631448)を用いたアッセイによりターゲット特異的にDNAの切断、変異導入が生じたことを確認します。そのプール細胞から限界希釈法等によりシングルクローン化します。シングルクローン化した細胞についてHiBiT detection assayにより、変異導入確認を行います。
HiBiTテクノロジー詳細はこちらをご参照ください。
HiBiTの使用条件など、詳細についてはプロメガ(株)にお問合せ下さい。
[オプションサービス]
・TAクローニング&シーケンス解析
・オフターゲット領域予測
サービス項目 |
価格(税抜) |
納期 |
ノックアウト細胞作製(*1) |
¥3,600,000~/1件 |
4.5ヶ月~ |
ノックイン細胞作製、一塩基置換変異導入細胞作製等 |
お問い合わせ |
お問い合わせ |
(TAクローニングによるシーケンス解析) |
¥480,000~/5クローン |
4週間 |
*1 株化細胞の下記作業仕様での参考価格です。細胞種(iPS細胞など)、また作業内容によって、費用が異なりますので、詳細はお問い合わせください。
<作業仕様>
-sgRNA設計・作製
-細胞のセットアップ(起眠、継代維持、マイコプラズマ簡易試験等)
-各種条件検討、目的の編集領域配列確認
-プール細胞でのゲノム編集確認
-細胞株作製(~40クローン)、ゲノム編集確認
-納品クローン調製(最大4クローン)
・価格・納期は手法や細胞により異なりますので、別途ご相談ください。
・本作業は、成果保証型の受託作業ではございません。目的のゲノム編集細胞株取得の保証はいたしかねます点、ご了承ください。途中で作業中止となった場合は、実施した作業工程までの費用を申し受けます。
・サンガーシーケンス解析において、PCRの性質上、一次凍結ストックと納品凍結ストックで一部異なる結果が得られる場合があります。その際は対応策をご相談の上決定いたします。