特長
- iPS細胞作製にもご利用いただけます
- 高効率遺伝子発現用プラスミドDNAまたは高発現遺伝子導入用プラスミドDNAを使用
- 安定発現細胞株作製も承ります
概要
高効率遺伝子導入用プラスミドDNA pDON-AI-2 DNA、
高発現遺伝子導入用プラスミドDNA pMEI-5 DNA
、
高効率かつ高発現遺伝子導入用プラスミドDNA pDON-5 DNAおよび
一過性ウイルス産生システムRetrovirus Packaging Kitを販売しています。
レトロウイルスベクター作製受託サービスでは、これらのプラスミドDNAおよびシステムを用いて、目的遺伝子を搭載したレトロウイルスベクターを作製いたします。
レトロウイルスベクターを用いた遺伝子導入法は、一般的に以下の利点を持ち、動物細胞への効果的な遺伝子導入法として、多くの遺伝子導入実験に利用されています。
- 安定な遺伝子導入細胞株を得ることができる。
- ヒト、マウスおよびラットを含む多くの動物細胞に遺伝子導入できる。
- 増殖細胞であれば、血球系を含む多くの細胞株に遺伝子導入できる。
- 初代培養細胞にも効率よく遺伝子導入ができる。
レトロウイルスゲノムからパッケージングシグナル(ψ)と両端のLTR配列を残し、目的遺伝子が挿入されたレトロウイルスベクターは、標的細胞の染色体に確実に目的遺伝子を挿入できるため、長期安定遺伝子発現が期待できます。本受託サービスでは、レトロウイルスの構造タンパク質であるgag-pol、envを発現するプラスミドと、組換えレトロウイルスゲノムmRNAを発現するプラスミドを宿主細胞に同時トランスフェクションすることによって一過性にレトロウイルスベクターを取得します。
gag-pol発現プラスミド、env発現プラスミド、およびレトロウイルスベクタープラスミドを同時トランスフェクションすることによって、細胞内で発現したgag-polタンパク質、envタンパク質、および組換えレトロウイルスゲノムRNAがアセンブルして組換えレトロウイルス粒子が出芽します。エンベロープ遺伝子はマウス、ラットに感染可能なecotropic-env、あるいはヒトを含む多くの哺乳動物細胞に感染可能なamphotropic-envから選択していただきます。トランスフェクションから48時間後の培養上清をフィルターろ過してレトロウイルスベクター液とし、小分け分注して納品いたします。(fig.1)
サービス内容
レトロウイルスベクター作製(fig.2)
- レトロウイルスベクターを一過性に産生、ウイルスベクターを含む培養上清をろ過
- Retrovirus Titer Set(for Real Time PCR)を用いたリアルタイムPCR法によるウイルスベクター溶液中のウイルスRNAのコピー数を算出
* タカラバイオ取扱ベクター以外を使用する場合は、別途ご相談ください。
* 標的とする細胞に適したウイルスエンベロープを選んでいただきます。マウス、ラット細胞への感染にエコトロピックウイルスを、ヒトを含む多種の哺乳類細胞への感染にはアンフォトロピックウイルスを選択できます。
* ウイルスベクターの力価は、測定方法により異なります。また、ウイルスベクター液の組成、測定に使用する細胞や血清などの影響により、同じ方法であっても施設によって異なることがあります。ご了承ください。
【オプションサービス】
プラスミドDNA調製
- 目的の遺伝子を挿入した発現プラスミドDNA作製
- 挿入遺伝子のサイズ、挿入遺伝子(接続部位を含む)の塩基配列を確認
* pDON-AI-2 DNA、pMEI-5 DNAまたはpDON-5 vectorを使用します。
ネオマイシン(G418)耐性コロニー検出法による力価測定
- ネオマイシン(G418)による薬剤選択後、薬剤耐性コロニーを検出し、感染力価を測定
* ネオマイシン耐性コロニー検出法の標的細胞には、マウスNIH/3T3細胞またはヒトHT1080細胞を使用いたします。ウイルス力価として得られる数値は、ウイルス液1mLあたりのネオマイシン耐性コロニー形成能を示します(Neomycin colony forming unit/mL)。
レトロウイルスベクターによる遺伝子安定発現細胞株作製
- レトロウイルスベクターの作製
- 標的細胞のセットアップ、レトロウイルスベクターによる遺伝子導入
- 薬剤耐性となった目的遺伝子導入プール細胞の調製
- リアルタイムPCR法による目的遺伝子の発現確認
レトロウイルスベクターの作製(ご希望のスケール)
- ウイルスベクターの簡易濃縮(20~40倍濃縮)
- ウイルスベクターの恒常産生細胞の作製(プロデューサー細胞の作製)