概要
お送りいただいたヒトまたはマウスの試料からDNAメチル化のレベルを測定し、エピジェネティクス的年齢を決定する受託サービスです。
特長
- 拡張型Horvath’s Aging Clockに基づいて、多数のCpG部位のメチル化を検出し、エピジェネティクス的年齢を求めます。
- SWARM(Simplified Whole-panel Amplification Reaction Method)法の使用により、少量の試料からハイスループット(最大640試料 / run)に解析できます。
- 最適化されたデータ解析法を有し、エピジェネティクス的年齢を正確に決定します。
- 薬物投与などによるエピジェネティクス的年齢の変化を定量化できます。
- がん、肥満、免疫関連疾患、食生活、サプリメント / 投薬などがどのようにエピジェネティクス的年齢に影響するかを研究するのに有用です。
- マウスの場合、全血および各種組織由来のDNAにおけるDNAgeを求めることができます。
- 論文に使用可能なデータ形式で、解析結果を納品いたします。
- レポートは、プロジェクトまたはアプリケーションに応じてカスタマイズが可能です。
生物学的年齢について
誕生からの経過日数より求められる「暦年齢」(Chronological Age)とは別に、組織・細胞の老化の程度から求められる「生物学的年齢」(Biological Age)という考え方があります。
様々な研究により、DNAメチル化レベルと生物学的年齢には強い相関性があることが解明されました
1,2。DNAメチル化レベルより求めた生物学的年齢(Epigenetic Aging Clock、エピジェネティクス的年齢)は、近年、有力な老化の指標の一つとして考えられています。
Dr. Steve Horvath(米国UCLA教授)が開発したエピジェネティクス的年齢は、生物学的年齢のゴールデンスタンダードで、その名前からHorvath’s Aging Clockとも呼ばれ、600以上の論文で引用されています。Horvath’s Aging Clockの研究により、ハンチントン症、ダウン症やHIV-1感染を含む感染症が、エピジェネティクス的年齢の加齢を促進することが明らかになりました
3~5。また最新の知見では、年齢変化に起因する疾患とエピジェネティクス的年齢の顕著な相関性が示唆されています。(
fig.1)
【参考文献】
- Horvath, S., Genome Biology, 14 (10), R115 (2013).
- Jones, M. J., et al., Aging Cell, 14 (6), 924 (2015).
- Horvath, S., et al., Aging (Albany NY) , 8 (7), 1485 (2016).
- Horvath, S., et al., Aging Cell, 14 (3), 491 (2015).
- Horvath, S., et al., The Journal of Infectious Diseases, 212 (10), 1563 (2015).
判定例
DNAメチル化レベルから求めたエピジェネティクス的年齢(DNAge)と暦年齢(Chronological Age)の相関
上段左:健常ヒト、上段右:正常マウス
下段左:HIV陽性ヒト、下段左:ダウン症ヒト
マウス各種試料から抽出したDNAにおけるエピジェネティクス的年齢(DNAge)と暦年齢(Chronological Age)の相関
左:全血、中央:肝臓、右:筋肉
食事制限(CR)または運動(Excercise)を24週間行ったマウスにおけるDNAgeの変化
解析の仕様
対象動物種 |
ヒト |
マウス |
解読するCpG部位の数 |
>1,000 |
>2,000 |
ご提供いただく試料 |
全血、尿 |
全血、一部の組織(肝臓、筋肉、脳など) |
シークエンス深度 |
>1,000× |
>1,000× |
* その他の試料についてはご相談下さい。