概要
ヒトキナーゼに対する薬剤の効能をより正確に予測するためにはターゲットタンパク質-化合物間の相互作用を生体内に近い細胞内環境で評価し、薬剤の阻害能、選択性、親和性を定量測定することが極めて重要です。また、平衡状態における測定に加え、カイネティックスを評価し、薬剤のResidence Timeなど速度論的パラメータについても薬剤の最適化において考慮することが望まれています。NanoBRET
TM Target Engagement (TE) Intracellular Kinase Assay System(Promega社)を用いたカルナバイオサイエンス社提供のセルベースアッセイサービスでは、リストからご希望のキナーゼターゲットをご選択頂き、生体内に近い条件の下、そのターゲットに対してお客様の化合物がどのように作用するのかを評価し、定量的な結果をお届けいたします。化合物をお送り頂くだけで、インタクトな細胞内で測定されたIC
50値、阻害率、そしてResidence Time評価結果を得ることが可能です。
特長
- インタクトな細胞内で発現された全長キナーゼタンパク質に対する化合物の作用を探る
- 1タイプの細胞透過性トレーサーで幅広いキナーゼタンパク質ターゲット探索が可能
測定サービス
- IC50値算出試験&Residence Time解析
・IC50値測定試験
(Half-log希釈8濃度測定、n=1/n=2/n=3からご指定頂けます。)
・Residence Time 解析
(IC50値測定試験の結果をベースにn=2で行います)
- パネルアッセイサービス
・CDK パネルアッセイサービス
24のCDKターゲットから構成されるアッセイパネルを用いてお客様の化合物の特異性を評価
・Kinome-Wide Profilingサービス(192キナーゼパネル)
HEK293にそれぞれ発現された192の全長キナーゼに対して1タイプのトレーサーを用いて一括評価を行ことにより、
細胞環境下のアッセイでしか見えてこない化合物の特性を明らかにします
ターゲットリストはこちらからご確認ください。
NanoBRETTM System
ドナーであるNanoLuc
® luciferase融合タンパク質からアクセプターとなる蛍光標識プローブ、NanoBRET
TM トレーサーへのエネルギー移転をベースとした生細胞内でのタンパク質相互作用を検出するアッセイです。生細胞内で発現されたNanoLuc
® luciferase融合タンパク質に対し、NanoBRET
TM トレーサーと競合的に置換された化合物が可逆的に結合することにより、化合物の見かけの親和性が測定できます。
標的タンパク質(NanoLuc
® luciferase融合タンパク質)を発現させた細胞にBRET acceptorとなる蛍光標識した膜透過性tracerを添加する。
Tracerが標的分子に結合するとBRETが起こり、acceptorが蛍光を発する。
化合物を添加することによる、蛍光強度シグナルの変化にて結合阻害を検出。
サービスの流れ
- 契約書および申込書
サービスのご提供に際し、お客様と秘密保持契約書、及び委受託契約書の締結が必要です。
契約書の雛形につきましては別途ご相談させていただきます。
- 試験スケジュール
IC50値算出試験/Residence Time解析/CDKパネルアッセイサービス
アッセイ開始は毎週月曜日、被験物質受領締め切りは前週の木曜日午後4時です。
試験開始には受領済み被験物質と併せて、サービス申込書をご提出いただいていることが条件となります。
Kinome-Wide Profiling サービス
各月末までにお申し込みいただいた試験を翌月に実施。翌月末のご報告を予定しております。
- 被験物質ご準備、ご発送
被験物質のご準備に際しては、被験物質の取り扱いに記載の条件(溶液量、濃度等)、注意事項をご一読下さい。
被験物質受領・確認の後、受領確認の連絡を差し上げます。
- 試験期間
IC50 値算出試験/CDKパネルアッセイサービス : 被験物質受領後 約2週間
Residence Time 解析 : 試験濃度設定後 約3週間
Kinome-Wide Profiling : 各月末までにお申し込みいただいた試験を翌月の月末にご報告 約4週間